【グローバルで活躍する日本人 総合商社→MBA→某外資トップコンサル】
ども、現役北大生のとびです^^
商社でトップクラスに活躍する方の素性が気になる学生や、ファーストキャリアは面白そうなところにして、やりたいことが見つかったら、MBAでキャリアリセットを考えている学生、割といるのではないでしょうか。
今回は、総合商社でいくつものプロジェクトを成功させ部署内でトップクラスの成績を挙げ、退社後MBA留学を行い、某外資系トップコンサルティングファームに入社予定の方にインタビューしてきました。
現在に至るまでの経歴を簡単に教えていただけますか?
慶應商学部を卒業した後、総合商社に入社し、7年物流関係で働いた後退社し、ケロッグ大学院のMBAに在籍しています。
就活では、どんな仕事を志望していたのですか?
日本と海外をつなげるような仕事です。大学でイギリスの片田舎に交換留学した時に、日本製品がそこら中に溢れていて、日本製品ユーザーの多くが親日派だったということから、日本の良い製品をもっと世界に増やし、日本ファンを増やしたいなと思うようになったのがきっかけです。
広告代理店や複数の総合商社などから内定を頂いて、最終的に就職先を選んだ理由は、入社4年目までに海外に行かせるといった若いうちから成長できるフィールドがあったことです。
学生時代の経験で今生きていると感じる経験はございますか?
イギリスの交換留学です。ベタですが、バックグラウンドの違う人たちと一緒に、協業することのソフトスキルは総合商社時代に役立ちました。例えば、中国で新規案件やるときに、トラックの運転手や倉庫の作業員を、上手く説得してまとめ上げていく力は、若い頃の留学経験で学んだことだと思っています。
経営者として出向
総合商社では、どのような仕事をされていたのですか?
中国と日本における物流事業の開発・営業・オペレーション管理の仕事です。入社4年目から中国に出向し、現地で活躍する日系のお客様のサプライチェーンの改善提案といったいわば物流のコンサルティング的な視点で、改善案を実行してきました。
商社には、主にトレードと投資の2つの業務がありますが、私の場合は投資先の企業価値向上・本社とのシナジー創出のためにとして、2000人規模の中国にある現地企業との合弁会社に出向しました。その中で、300人規模の案件を任せてもらい、スタートアップの社長のようなポジションで、売上向上のために新規業務獲得など好きなこともやりました。
総合商社の魅力は?
絶妙な負荷のかけ方です。例えば中国出向のときも、まずは現地の語学学校で半年間中国語の勉強を行い、100%子会社で半年修行を積み、その後合弁会社に異動しました。現地の会社にいたときは、日系客先の上層部への提案などハイレベルなことは日本語で行いますが、描いたソリューションの現場への落とし込みなどは中国人スタッフと中国語で行わなければなりませんでした。
0から始めた中国語でいきなり仕事をするのは無理があるため、語学学校で中国語の基礎、ビジネスレベルを100%子会社で習得した後、合弁企業で管理職の立場での経験ができて良かったです。
そんな魅力的な総合商社を辞めて、自費でMBAに来たのは?
7年間働いた後、今後10年間に自分のやることが見えたときに、自分の思い描いていたキャリアイメージと乖離があったため、もっとチャレンジングな環境に身を置きたかったからです。当時、社内の部署異動、業界のスペシャリストとして転職、MBAを通したキャリアチェンジの3つの選択肢がありました。
商社は、縦割り職が強く、職人芸的要素もあるため部署を移ることは業界を跨いで転職するようなものだと思いました。次に、転職を考えたが、転職で成功するためには自分の業務経験のある物流領域を軸とする必要があり、ワクワクしなかったです。
最終的には、経営の根幹である戦略に携わりたかったので、MBAを通してキャリアスイッチすることを選びました。MBAでは、転職時のインダストリーのバックグラウンドによる縛りが消えるため、思い切ったキャリアチェンジができます。
自己分析の大切さ
MBAではどのようなことが得られましたか?
まずMBAに入る前に関しては、GMAT対策によるロジカルシンキングのブラッシュアップと、エッセイを書くために自己分析が強制されて、自己理解が深まったことですね。新卒の就活のときは、自分自身の適性やキャリアゴールをしっかりと考えられていなかったため、周りの情報に流される部分が少なからずありました。
MBA受験に際し、自分を見つめ直したことで、学校選び、一年目終了時のインターン、MBA後のフルタイムの就職、学校での授業やその他アクティビティの優先順位付けなど、自分らしい選択ができたと思っています。
直ぐ使える知識は直ぐ使えなくなる知識
MBAに入った後では、異なる背景・考え方を持つ優秀な人達の中で、自分がどうパフォーマンスを出すのかを考え抜いてきたのが良い経験になりました。あと、経済学が面白いことにも気がつけました。
就活のときとか新人時代は、直ぐに使えるビジネス基礎などのスキルを集めて満足している人、よくいると思いますが、結局直ぐに使えるようになることは、直ぐに使えなくなったり、また周りの人も直ぐに追いつかれてしまいます。MBAの経済学では、世の中の仕組みの根本的なところを垣間見れたのが良かったです。
なぜMBAとしてケロッグ大学院を選んだのですか?
ケロッグ大学院では、6人程度の少数でグループディスカッション(GD)を行うため、1人あたりの発言回数・発言時間が必然的に多くなります。
他の有名校の場合は、何十人もいる大教室で誰かがケースに関する自分の理論を発表し、そこからみんなで議論を行います。当然、発言回数と発言時間が短くなりがちなので、私は少人数でディープな会話ができると思ったケロッグを選びました。
MBAでこれまでの仕事で辛かったことをあげるとしたら?
ネットワーキングのためのパーティー、幼い娘のいる家族、授業、就活のバランスをとるのが大変でした。切り抜けられた理由は、自分の何を大事にしているのか、優先順位付けして、やらなくていいことをしなかったからです。
これは、まさに自己分析ができていたからできたことですね。また、家族のサポートも心の支えになりました。大変だったときも嫁に話をして、客観的なアドバイスをもらっていました。
海外で働きたいならば、現地で戦略コンサルタントになろうと思わなかったのですか?
海外ですと文化と言語的な側面によって、自分のパフォーマンスが100%出し切れないと思ったので、最終的には日本国内に絞りました。トップティアのコンサルティングファームには、日本国内でも海外との協業が有る大きなプロジェクトがあるため、日本からも海外プロジェクトを経験できます。
また、海外オフィスへのトランスファーも充実しているため、まずは日本で働いて、数年間コンサルとしてのスキルを高めた上で、海外オフィスに移ることも可能と聞いています。
就職活動の時点から入社後のMBAを考えている学生に何かアドバイスはありますでしょうか?
考える必要はないです。MBAを取らずとも沢山できることあるし、MBA後にやりたいことがあれば、最初からそこにいけばよい。特に、私費の場合だと学費に加え在学中収入がないという機会損失を含め3000万ぐらいのコストになります。それだけのお金があれば、起業資金になるし、家を買うこともできる。その中で本当にMBAって価値があるのか?としっかりと自分を見つめ直すと良いです。
やりたいことはがないという学生に何かアドバイスはありますか?
インターンなどで1回体験してみればいいと思っています。それか、自分が少しでも興味が有ることがあれば、1週間徹底的にその分野のメディアや本を読み、さらに業界人と会って意見をぶつけ、自分がその業界にいるのか如く思考訓練を行えば、向いているか向いていないかはわかるはずです。
地道に自分の向き不向きを検証して、自己理解を深めていくとそのうち見つかると思いますので、頑張ってください。
—ありがとうございました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。自分の向き不向きを見極め、自分が活躍できるフィールドで勝負するためには、自己分析が大切ですね。就活支援団体エンカレッジでは、自己分析のお手伝いを行っているので、是非お近くの支部に気軽に遊びに行ってみてはどうでしょうか。